御座舞:第16回 中世夢が原 大神楽(井原市)

10日夜、「16回 中世夢が原 大神楽」が、「中世夢が原」(岡山県井原市美星町三山5007番地)であり、見に行きました。
写真は、「御座舞」(茣蓙舞、御座飛び)、新見市の矢戸社。「手種の舞」とあわせこの「御座舞」については、主催者から「観た人はほとんどいないのでは」との旨の解説があった珍しい神楽です。



写真は、舞いの順に3枚。2枚目は、端をもって丸めた御座を放り出す(≒トイレットペーパーの動きを想像)、一定のところで手元で手繰ると、行ききった先端が宙を飛んで返ってくる。これを各方面向かって行います。
3枚目はこの舞いのメインとでも言えば良いでしょうか。御座の短辺の各端を右手と左手で持ち、U字状に垂らしそれを前後に何回も飛び越えるという軽業のような動きです。
実はTAKA、この3枚目のようすを、小さいころに見た覚えがあるのです。父親の弟(叔父)が、酒席でこの御座舞(御座飛び)をやっていたのを憶えています。もう50年近く前のことかと思います。鳥取県の日南町でのこと。多里神社では夜神楽がある時代、農家をしていた叔父が、神楽を見ておぼえ、そのメインのところを酒席の余興にやったのだろうと思います。
当時のことを父親に尋ねると、「部落ごとに神楽を勧進していた」「多里では備中神楽が人気があった」と、動きの多い演目に人気があり、御座飛びは「付きもの」(≒必須演目)であったとも。ひょっとして、多里で御座飛びを演じたのは新見の神楽団だったのかもしれません。
大元神楽島根県江津市)、島後久見神楽島根県隠岐隠岐の島町久見)にも同様の舞いがあるようです。