岡山県苫田郡鏡野町の恵堂の墨書

恵堂 岡山県苫田郡鏡野町

用事でタイトルの場所を通りました。
で、車を止めて写真を撮っていると、壁の落書きが気になりました。

右上の堂の向って左の壁に書かれていたものです。
落書きかと覗き込んでみたら、達筆が並んでいました。神社参りのお札の代わりのような風習でもあったのでしょうか。
画面左端中央には「明治十四年四月三十日」の日付が見えます。西暦だと1881年ですから、今から127年前の筆ということになります。
中央上部には、濃く「雲州神門郡杵築市場町」の筆が読みとれます。神門郡は、1889年から1896年3月末まで存在した島根県の郡名です。
その左は「鳥取県因幡国岩美郡鳥取市魚町」と読めます。
「雲州」のすぐ右は「岡山三番町」と書いて囲まれ、さらに右は「北條県」と読めます。北條県は、「1876年北條県・・・岡山県に併合」との記述がネット上で見つかります。ですから、そのころの墨書だろうかと想像します。かなり広範囲からこの地を訪ねた人があったのだろうと想像します。
そのほか「岡山県知事」(右端中央)と読めるものもあります。
じつにおもしろいですね。落書きであったのか、当時の風習であったのかともかく、まったく薄れて読めなくなる前に、筆書に詳しい人に読んでもらって、解説板でも設置したほうが良いのではないかと思いました。

>> 地図はこのあたり(goo地図)